「N. 新型コロナウイルス感染症」カテゴリーアーカイブ

新型コロナウイルス感染症 Q&A

新型コロナウイルス感染症の流行が長く続いています。当院では当初より「発熱外来」を行ってきました。今でも質問が多く、Q&Aとして当院の現状や対応について簡単にお伝えします。①感染者、②定期通院中の患者、③スタッフを守ることが重要という考えは変わりません。いつでも誰しもが感染しうる状況であり、診療を断るという選択肢はありません。定期通院中の患者さんはとても落ち着いて対応されており、私たちにとっても励みになります。それでは以下になりますので、よろしくお願いします(2023.8.15 更新)。

厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について
三重県 新型コロナウイルス感染症について
津保健所 帰国者・接触者相談センター 059-223-5184

Q1 熱があります。どうしたらいいですか?

発熱・気道症状(咳・痰・咽頭痛など)のある方は、慌てて病院に駆け込むのではなく、来院前に必ず電話連絡して下さい。定期通院患者さんを守るという点から、一般診療と時間をわけて対応させていただきます。このため、定期通院患者さんにも予約時間の変更をお願いすることがあります。誠に申し訳ございませんが、「明日は我が身」ということで、ご協力をお願い申し上げます。

Q2 抗原検査・PCR検査はしてもらえますか?

発熱・気道症状のある方にさせて頂いていますが、最近はPCR検査はあまり行わず、抗原検査が中心となっています。治療方針には大きな影響はありませんが、ご家族の感染対策など、コロナか否かをわかっておいた方が、よいこともあります。必要性はこちらで判断します。

Q3 咳が続きます。どうしたらいいですか?

咳は、感染症・アレルギー(喘息や咳ぜんそく)・その他肺疾患で起こりうる症状です。区別が難しいケースもありますが、一般に感染症では熱や色のついた痰の症状を伴うことが多いです。一方、3週間以上など咳の持続期間が長い場合は、アレルギーである可能性が高くなります。ご相談いただければ対応させていただきます。

Q4 アレルギーによる咳なのに、間違えられて困っています。

アレルギーによる咳は、冷気や煙などの刺激物、花粉などのアレルゲンにより誘発されます。また新型コロナウイルス感染症を含めた感染症でも誘発されるのがややこしい点です。その場合もできる限り治療を強化して対応したいと思います。

Q5 私の病気は基礎疾患に当てはまりますか?
Q6 糖尿病でも重症化しやすいですか?
Q7 若くても助からない人がいるのはなぜですか?
Q8 人工呼吸器や人工肺(ECMO)でよくなるのですか?

少し内容が難しくなります。厚生労働省によると、基礎疾患とは、糖尿病・慢性心不全・呼吸器疾患となっており、重症化しやすいとされています。呼吸器疾患とは、気管支喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)・間質性肺炎・肺癌などの疾患が挙がり、つまり肺に予備力がない方が該当します。一方、若く基礎疾患がなくとも、ウイルスに刺激を受け、過剰な免疫反応が起こり(サイトカインストーム)、肺が障害を受け(ARDSやDAD)、助からない人も出てきます。このような状態になると良かれと思わる薬剤を投与し、肺の炎症がUターンして改善してくるのを待つ形となります。自身の呼吸だけで酸素をまかなえない場合は、酸素投与、人工呼吸器、人工肺(ECMO)を用いることとなります。これらはあくまで補助になりますので、これらにより改善するわけではありません。

Q9 これまで感染者はいましたか?
Q10 病院に行かない方がいいですか?

個人的にはこういうものは順番に巡ってくるものだと思っています。しかし幸いにも、当院においてはクラスターは発生しておらず、診療数を踏まえると、奇跡的なことなのかもしれません。一般診療と時間をわけて対応していますので、来院すること自体は危険ではありません。

Q11 テレビやネットの情報は信じていいんですか?

良い情報だけをつないで良い物語を作ること、悪い情報だけをつないで悪い物語を作ることは容易です。不安をあおるような構成の情報は、話半分でいいのではないでしょうか。本当に患者の皆さんや国民のことを考えている人を頼ればいいと思います。

Q12 診療所にはマスクを着けていくべきですか?

世間で緩和が進むことには賛成です。ただし、診療所ではできる限りマスクを着用して下さい。定期通院中の患者さんの中には、例えば風邪をひくだけでも命にかかわるような重症の方もいらっしゃいます。

Q13 オンライン診療に対応していますか?

対応しておりません。新型コロナウイルス感染症に限った話ではありませんが、呼吸器内科の診療においては、診察時のさりげない会話・酸素飽和度(SpO2)・聴診・検査・レントゲンなどによる適切な評価が必須です。呼吸を担う大切な臓器の診療です。通信システムのみによる判断では、誤診や治療の遅れが容易に予測され、リスクが増えると考えます。また患者の皆さんとの関係が希薄になっていくことも、診療していく上で不利益です。よって、当院では導入するつもりはありません。

Q14 不平不満について。

ごく一部の方からクレームを頂くことがあります。スタッフの疲弊につながりますので、ご遠慮下さい。一方、当院に定期通院中の患者さんは、とても落ち着いて対応されており、労いの言葉もかけて下さいます。外来診療を継続できるのは患者さんがエネルギーを与えてくれるからと私は日頃から思っています。

Q15 いつまで続くのでしょうか。

私達にもわかりません。何回目の波だろうとも、基本的に心がけることは変わりありませんし、一喜一憂もしません。これまで通りですが、情報に惑わされ、過度に心配する必要もないと思います。私たちは患者さんのためにできることを粛々と続けます。