エピペンとは、アドレナリン自己注射薬であり、アナフィラキシーがあらわれたときに使用します。症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤であり、使用と同時に救急要請することが重要です。アナフィラキシーの一般論や、症状と対策については別頁をご参照下さい。
まず、どのような人に携帯が望まれるのでしょうか。微量のアレルゲンでアナフィラキシーを誘発する場合、ショックを誘発しやすい食物 (ナッツ類、魚介、牛乳、ソバ、卵、小麦など)がアレルゲンとなる場合、アナフィラキシーを繰り返す場合などが挙がります。また気管支喘息を持病とする場合も危険性が高く、携帯が望まれます。蜂刺傷の場合は、約20%でIgE抗体が産生されると言われており、アシナガバチ、スズメバチ、ミツバチに対するIgE抗体を測定し、陽性であった場合は、やはり携帯すべきだと思います。
それではエピペンを使用すべきタイミングについてです。下記の症状が1つでもあらわれたら使用すべきとされています。
●消化器症状 繰り返す嘔吐、持続する腹痛 ●呼吸器症状 胸が締め付けられる、激しい咳、ゼーゼー、呼吸苦 ●循環器症状 顔面・唇・爪の蒼白、意識障害 |
例えば食物によるアナフィラキシーの場合、発現から心停止までわずか30分とされており、速やかな対応が望まれます。もちろん、もっと急速な場合もあります。実際の注射の手順に関しては下記になりますが、文章よりも動画などの方がわかりやすいですので、こちらもご参照下さい。
① 打つ場所 (ふとももの外側)を確認する ② エピペンのカバーを開けて取り出す ③ 青い安全キャップを外す ④ カチッと音がするまで押しつける ⑤ 抜き取り、オレンジのカバーが伸びていることを確認する ⑥ 注射部位をもむ ⑦ 救急要請する |
最後に保管や管理ですが、いつでもエピペンを注射できるように、日頃からエピペンの適切な管理を心がけてください。特に下記に注意していただきたいと思います。
・自宅では手の届くところに置く ・外出時には携帯する ・携帯用ケースに入れて保存 ・15〜30℃での保存が望ましい ・変色や沈殿に注意する ・期限が切れる前に、再処方を受ける ・期限が切れたら、医療機関で破棄する |