「N. 新型コロナウイルス感染症」カテゴリーアーカイブ

新型コロナウイルス感染症 Q&A

当院は診療・検査医療機関であり、新型コロナウイルス感染症の大流行に伴い、現在、感染対策を強化して対応しています。現場では、毎日朝から晩まで新型コロナウイルス感染症やワクチン接種の話題で、流行から1年以上経過した現在も変わりありません。問い合わせも非常に多く、その全てにお答えすることができません。よくある質問についてQ&Aとして、当院の見解や対応について、簡単にお伝えすることとしました。診療所である私たちの立場からは、①感染者、②定期通院中の患者、③スタッフを守ることが重要と考えています。私たち診療所は備えや体力のない状況下での診療となっていることも加筆しておきたいと思います。悪いのはコロナ、誰も悪くない。徹底して基礎疾患の診療を続けてまいりたいと思います。当院に定期通院中の患者さんは、とても落ち着いて対応されており、私たちにとっても励みになります。それでは、よろしくお願い申し上げます。

厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について
三重県 新型コロナウイルス感染症について
津保健所 帰国者・接触者相談センター 059-223-5184

Q1 熱があります。どうしたらいいですか?

発熱や気道症状(咳・痰・咽頭痛など)のある方は、慌てて病院に駆け込むのではなく、来院前に必ず電話連絡して下さい。トリアージといい、一般患者と時間をわけて、診察させていただきます。私たちも防護服を着用して対応します。またトリアージのため、予約時間の変更をお願いすることがあります。誠に申し訳ございませんが、「明日は我が身」ということで、ご協力をお願い申し上げます。

Q2 抗原検査・PCR検査はしてもらえますか?

発熱・気道症状のある方にはさせて頂いていますが、必要性はこちらで判断します。検査自体は公費になりますので、患者負担はありませんが、その他の検査費用や診察費用などはかかります。

Q3 咳が続きます。どうしたらいいですか?

咳は、感染症・アレルギー(喘息や咳ぜんそく)・その他疾患で起こりうる症状です。鑑別は難しいですが、一般に感染症では熱や痰の症状を伴うことが多く、熱を伴う場合はQ1をご参照下さい。一方、3週間以上など咳の持続期間が長い場合は、アレルギーである可能性が高くなります。ご相談いただければ対応させていただきます。

Q4 アレルギーによる咳なのに、間違えられて困っています。

新型コロナウイルス感染症の流行のため、より難しい問題となりました。特に現在は、気候変動・花粉によるアレルギー・黄砂による物理刺激などにより、咳の出やすいシーズンであることから、患者の皆さんの苦悩が目に見えます。通院中の方には、できる限り治療を強化したいと思います。

Q5 喘息の吸入薬をオルベスコに替えて下さい。

オルベスコとは吸入ステロイド剤であり、気管支喘息の治療薬です。日本感染症学会から、新型コロナウイルス感染症に有効であると3例の報告があり話題となりましたが、残念ながら最終的には有効性は実証されませんでした。とはいえ喘息治療のよい薬剤ですので当院では今後も多用します。なお吸入ステロイド剤と気管支拡張剤の合剤(シムビコート・フルティフォーム・レルベアなど)からオルベスコに変更すると、喘息が悪化する可能性がありますので、安易な変更は避けるべきです。

Q6 私の病気は基礎疾患に当てはまりますか?
Q7 糖尿病でも重症化しやすいですか?
Q8 若くても助からない人がいるのはなぜですか?
Q9 人工呼吸器や人工肺(ECMO)でよくなるのですか?

少し内容が難しくなります。厚生労働省によると、基礎疾患とは、糖尿病・慢性心不全・呼吸器疾患となっており、重症化しやすいとされています。呼吸器疾患とは、気管支喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)・間質性肺炎・肺癌などの疾患が挙がり、つまり肺に予備力がない方が該当します。一方、若く基礎疾患がなくとも、ウイルスに刺激を受け、過剰な免疫反応が起こり(サイトカインストーム)、肺が障害を受け(ARDSやDAD)、助からない人も出てきます。このような状態になると良かれと思わる薬剤を投与し、肺の炎症がUターンして改善してくるのを待つ形となります。自身の呼吸だけで酸素をまかなえない場合は、酸素投与、人工呼吸器、人工肺(ECMO)を用いることとなります。これらはあくまで補助になりますので、これらにより改善するわけではありません。

Q10 これまで感染者はいましたか?
Q11 病院に行かない方がいいですか?

当院に定期通院中の患者さん数名が新型コロナウイルスに罹患しましたが、幸いにも大事には至りませんでした。当院スタッフにおいても、一度も感染はなく、クラスターも発生していません。ちなみに三重県のホームページに「新型コロナウイルス感染症患者の発生について」と題して約5000例が公開されています(2021.7.3時点)。もちろん今後の流行の推移にもよりますが、インフルエンザ流行期のように次々に発熱患者が来るような状況ではありませんので、現時点では診療所内での感染の危険性は低いと考えています。報道により過度に恐れ、通院が途絶え、治療も中断、基礎疾患が悪化してしまった例がありましたが、本末転倒と思います。新型コロナウイルス感染症の対策の一つとしても、基礎疾患の治療はきっちり受けるべきです。

Q12 先生は怖くないのですか?

私は最も感染リスクが高い一人かもしれません。職業病ですが、悪性疾患や感染症により、遅かれ早かれ死亡することを想定し、日常を送っていますので、怖くありません。通院中の患者さんやスタッフに感染させることの方が怖いです。

Q13 テレビは信じていいんですか?

良い情報だけをつないで良い物語を作ること、悪い情報だけをつないで悪い物語を作ることは容易です。不安をあおるような構成の情報番組は、話半分でいいのではないでしょうか。本当に患者の皆さんや国民のことを考えている人を頼ればいいと思います。感染予防や自粛などの適切な情報には従っていただきたいと思います。厚生労働省や三重県からの情報が当然ながら適切かと思いますのでリンクしました。

Q14 マスク・アルコール消毒・SpO2モニターなどは売ってもらえますか?

できません。

Q15 病院にはマスクを着けていくべきですか?

必ず着用下さい。感染対策として医療従事者と患者が共にマスクを着用することが重要とされています。また自覚する症状がなくても、来院前には体温を測定してお越しください。

Q16 とても心配です。いつもより咳が多く、息も苦しい気がします。

咳ぜんそく・気管支喘息・COPDの複数の患者さんから問い合わせを頂いています。最初から気のせいと決めつけるのではなく、実際に喘息発作や増悪が起こっていないかどうかを確認します。診察時のさりげない会話・酸素飽和度(SpO2)・聴診・呼気NO検査・呼吸機能検査・レントゲンなど、必要に応じて、客観的に評価します。確かにストレスや不安から喘息発作を来すこともあるのですが、稀です。今のところ、検査を行ってもいつもと変わりなく、精神的にそのように感じていることが多いようです。このように説明して安心して過ごしていただくことも、私たちの仕事なのかもしれません。

Q17 ジムにも行けず、家にいるとついつい食べ物に・・・。どうしたらいいですか?

いわゆる自粛太りですね。 糖尿病や脂質異常症など生活習慣病の患者さんから問い合わせを頂いています。家にいる時間も長くなっていると思います。運動療法についてもなかなか難しい問題ですが、当院ではこれまでスポーツインストラクターを中心に、室内でもできる運動療法を推奨してきました。ストレッチやスクワットなどの運動を少しずつでも継続的に行って下さい。

Q18 オンライン診療に対応していますか?

対応しておりません。新型コロナウイルス感染症に限った話ではありませんが、呼吸器内科の診療においては、診察時のさりげない会話・酸素飽和度(SpO2)・聴診・呼気NO検査・呼吸機能検査・レントゲンなどによる適切な評価が必須です。呼吸を担う大切な臓器の診療です。通信システムのみによる判断では、誤診や治療の遅れが容易に予測され、むしろリスクが増えると考えます。また患者の皆さんとの関係が希薄になることも好みません。ひと段落した後も、当院では導入するつもりはありません。

Q19 不平不満について。

外出しないことだけが自粛ではないと思います。これ以上のコメントは控えます。

Q20 いつまで続くのでしょうか、不安です。

私達にもわかりません。ただし基本的に心がけることは変わりありません。これまで通りですが、報道に惑わされ、過度に心配する必要もないと思います。ただ、気の緩みは確かで、病院受診ですらマスクの着用忘れが目立つようになってきています。最低限のマナーは守り、そしてお互いを守りましょう。気付けば私も1年以上、三重県外に出ていません。60-70点の及第点を確実に取っていく、そんな地味な戦略で今後も挑み続けたいと思います。私たちは患者さんのためにできることを粛々と続けます。