新型コロナウイルス感染症 Q&A

当院では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断や治療はできません。しかし現場では、毎日朝から晩まで、新型コロナウイルス感染症の話題で、異様な状況となっています。問い合わせも非常に多く、その全てにお答えすることができません。よくある質問についてQ&Aとして、当院の見解や対応について、簡単にお伝えすることとしました。開業医である私の立場からは、①感染者、②定期通院中の患者、③スタッフを守ることが重要と考えています。①感染が疑われる患者さんは、保健所に連絡し、しかるべき医療機関の受診を促すことが必要です。また②③に関しては、例えば3月末に当院のスタッフが発熱を認めました。直ちに帰宅させ、保健所に連絡し、私の判断で、翌日は半数以下のスタッフでの診療体制としました。早速、「あんたとこコロナか?」「ちゃんと保健所に連絡したんか?」などの声があり、スタッフに嫌な思いをさせました。幸いにもその後、全スタッフに発熱は認めませんでした。これはほんの一例ですが、このように状況に応じて、ブレーキをかけながらの診療体制になりますことをご容赦頂きたく思います。私たち開業医は備えや体力のない状況での診療であることも加筆しておきたいと思います。悪いのはコロナ、誰も悪くない。徹底して基礎疾患の診療を続けてまいりたいと思います。当院に定期通院中の患者さんは、とても落ち着いて対応されていると思います。

厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について
三重県 新型コロナウイルス感染症について
津保健所 帰国者・接触者相談センター 059-223-5184

Q1 熱があります。どうしたらいいですか?

厚生労働省の指針に従い、①風邪の症状や37.5度以上の熱が4日以上続く、②強いだるさや息苦しさがある場合は、定期通院中の患者さんであっても、保健所に相談してもらっています。むやみに病院に駆け込まず、まず様子を見て下さい。大きな病院では「まずは近くで診てもらって」などと間違った指示で受診を断るケースが相次いでおり、患者の皆さんを思うと残念です。

Q2 PCR検査はしてもらえますか?

当院ではできません。

Q3 咳が続きます。どうしたらいいですか?

咳は、感染症・アレルギー(喘息や咳ぜんそく)・その他疾患で起こりうる症状です。鑑別は難しいですが、一般に感染症では熱や痰の症状を伴うことが多く、熱を伴う場合はQ1をご参照下さい。一方、3週間以上など咳の持続期間が長い場合は、アレルギーである可能性が高くなります。ご相談いただければ対応させていただきます。

Q4 アレルギーによる咳なのに、間違えられて困っています。

新型コロナウイルス感染症の流行のため、より難しい問題となりました。特に現在は、花粉によるアレルギーや黄砂による物理刺激などにより、咳の出やすいシーズンであることから、患者の皆さんの苦悩が目に見えます。通院中の方には、できる限り治療を強化したいと思います。

Q5 喘息の吸入薬をオルベスコに替えて下さい。

オルベスコとは吸入ステロイド剤であり、気管支喘息の治療薬です。日本感染症学会から、新型コロナウイルス感染症に有効であると3例の報告があり話題となりました。本当に効果があればよいですが、無治療での軽快例の報告もありますので、まだまだ情報集積中とのことです。感染予防目的では使用できないことも明記されています。喘息治療のよい薬剤ですので当院では多用してきましたが、供給困難に陥っており、新規の処方が制限され困っています。また吸入ステロイド剤と気管支拡張剤の合剤(シムビコート・フルティフォーム・レルベアなど)からオルベスコに変更すると、喘息が悪化する可能性がありますので、安易な変更は避けるべきです。

Q6 私の病気は基礎疾患に当てはまりますか?
Q7 糖尿病でも重症化しやすいですか?
Q8 若くても助からない人がいるのはなぜですか?
Q9 人工呼吸器や人工肺(ECMO)でよくなるのですか?

少し内容が難しくなります。厚生労働省によると、基礎疾患とは、糖尿病・慢性心不全・呼吸器疾患となっており、重症化しやすいとされています。呼吸器疾患とは、気管支喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)・間質性肺炎・肺癌などの疾患が挙がり、つまり肺に予備力がない方が該当します。一方、若く基礎疾患がなくとも、ウイルスに刺激を受け、過剰な免疫反応が起こり(サイトカインストーム)、肺が障害を受け(ARDSやDAD)、助からない人も出てきます。このような状態になると良かれと思わる薬剤を投与し、肺の炎症がUターンして改善してくるのを待つ形となります。自身の呼吸だけで酸素をまかなえない場合は、酸素投与、人工呼吸器、人工肺(ECMO)を用いることとなります。これらはあくまで補助になりますので、これらにより改善するわけではありません。日本感染症学会に掲載されている全ての論文に目を通していますが、おおむね同様の見解です。

Q10 これまで感染者はいましたか?
Q11 病院に行かない方がいいですか?

当院ではこれまで、新型コロナウイルス感染症は発生していません。ちなみに三重県のホームページに「新型コロナウイルス感染症患者の発生について」と題して全65例が公開されています(2020.7.26時点)。もちろん今後の流行の程度にもよりますが、インフルエンザ流行期のように次々に発熱患者が来るような状況ではありませんので、現時点では感染の危険性は高くないと思います。報道により過度に恐れ、通院が途絶え、治療も中断、基礎疾患が悪化してしまった例がありましたが、本末転倒と思います。新型コロナウイルス感染症の対策の一つとしても、基礎疾患の治療はきっちり受けるべきです。

Q12 先生は怖くないのですか?

私は最も感染リスクが高い一人かもしれません。職業病ですが、悪性疾患や感染症により、遅かれ早かれ死亡することを想定し、日常を送っていますので、怖くありません。通院中の患者さんやスタッフに感染させることの方が怖いです。

Q13 テレビは信じていいんですか?

良い情報だけをつないで良い物語を作ること、悪い情報だけをつないで悪い物語を作ることは容易です。不安をあおるような構成の情報番組は、話半分でいいのではないでしょうか。本当に患者の皆さんや国民のことを考えている人を頼ればいいと思います。感染予防や自粛などの適切な情報には従っていただきたいと思います。厚生労働省や三重県からの情報が当然ながら適切かと思いますのでリンクしました。

Q14 マスクは売ってもらえますか?

できません。

Q15 病院にはマスクを着けていくべきですか?

感染対策として医療従事者と患者が共にマスクを着用することが重要とされています。まだ価格は高めではありますが充足してきましたし、 ”アベノマスク” も届いていると思いますので、ありがたく用いましょう。自覚する症状がなくても、来院前には体温を測定し、マスクを着用してお越しください。お互いを守りましょう。

Q16 とても心配です。いつもより咳が多く、息も苦しい気がします。

咳ぜんそく・気管支喘息・COPDの複数の患者さんから問い合わせを頂いています。最初から気のせいと決めつけるのではなく、実際に喘息発作や増悪が起こっていないかどうかを確認します。診察時のさりげない会話・酸素飽和度(SpO2)・聴診・呼気NO検査・呼吸機能検査・レントゲンなど、必要に応じて、客観的に評価します。確かにストレスや不安から喘息発作を来すこともあるのですが、稀です。今のところ、検査を行ってもいつもと変わりなく、精神的にそのように感じていることが多いようです。このように説明して安心して過ごしていただくことも、私たちの仕事なのかもしれません。

Q17 ジムにも行けず、家にいるとついつい食べ物に・・・。どうしたらいいですか?

 糖尿病や脂質異常症など生活習慣病の患者さんから問い合わせを頂いています。どの家庭においても非常時の備えとして、いつもよりやや多めに食べ物を購入していると思われ、これも一因かもしれません。家にいる時間も長くなっていると思います。運動療法についてもなかなか難しい問題ですが、当院ではこれまでスポーツインストラクターを中心に、室内でもできる運動療法を推奨してきました。ストレッチやスクワットなどの運動を少しずつでも継続的に行って下さい。通院中の方には用紙をお渡し説明させていただきます。

Q18 オンライン診療に対応していますか?

対応しておりません。新型コロナウイルス感染症に限った話ではありませんが、呼吸器内科の診療においては、診察時のさりげない会話・酸素飽和度(SpO2)・聴診・呼気NO検査・呼吸機能検査・レントゲンなどによる適切な評価が必須です。呼吸を担う大切な臓器の診療です。通信システムのみによる判断では、誤診や治療の遅れが容易に予測され、むしろリスクが増えると考えます。また患者の皆さんとの関係が希薄になることも好みません。ひと段落した後も、当院では導入するつもりはありません。

Q19 不平不満について。

外出しないことだけが自粛ではないと思います。これ以上のコメントは控えます。

Q20 第2波が不安です。どうしたらいいですか?

基本的に心がけることは変わりありません。これまで通りですが、報道に惑わされ、過度に心配する必要もないと思います。ただ、気の緩みは確かで、病院受診ですらマスクの着用忘れが目立つようになってきています。最低限のマナーは守り、そしてお互いを守りましょう。私たちは患者さんのためにできることを粛々と続けます。