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ハチアレルギー検査

山間部に出入りする職業の方から問い合わせをいただいています。当院で、”ハチアレルギー検査” を受けて頂くことができます。

ハチに刺されて亡くなる人がいることは皆さんご存知かと思います。ではなぜそのようなことが起こるのでしょうか。ハチに刺されると、ハチ毒が体内に入りますが、ハチ毒そのものが生体に悪さするわけではありません。生体内でハチ毒に対しての強いアレルギー反応が起こり、アナフィラキシーという病態が引き起こされてしまいます。

アナフィラキシーに関しては、日本アレルギー学会から、『アナフィラキシーガイドライン』が発刊されており、詳しく解説されています。こちらはインターネットで閲覧することが可能です。アナフィラキシーとは「アレルゲンなどの侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与えうる過敏反応」と定義されており、血圧低下や意識障害を伴う場合を、アナフィラキシーショックといいます。ハチ毒に限った病態ではなく、私たち医療従事者は、抗癌剤や抗生剤など、医薬品でのアナフィラキシーの発症を経験します。

皮膚症状、粘膜症状、呼吸器症状、循環器症状と、発現までの時間 (数分から数時間) を組み合わせて、アナフィラキシーと診断します。皮膚症状としては、顔面や全身の発疹・紅潮・かゆみがあり、粘膜症状としては、唇や舌の腫れなどがありますが、鼻粘膜や口腔・咽頭粘膜の腫れにより、「急に鼻が詰まった」「首を絞められているようだった」と表現された方もみえ、前兆の一つです。呼吸器症状としては、こちらも粘膜症状によるものですが、気管支粘膜に浮腫が起こります。すると、気道が狭くなるため、咳、ゼーゼー (喘鳴)、呼吸困難、低酸素血症などが引き起こされ、窒息に近い状態に陥ります。また循環症状としては、血圧を維持できなくなるため、意識障害、失神などの状態となります。これらの症状が、数分から数時間以内に起こり、死亡に至ることもあります。

このアナフィラキシーの病態に関与するのが ”IgE抗体” であり、肥満細胞や好塩基球を介して、アレルギー反応を起こします。IgE抗体が高い場合、アレルギー反応が出やすいといわれています。このIgE抗体は、血液検査を行うことによって、測定することができます。 IgE抗体全体の量 (非特異IgE抗体、RIST)、スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチのそれぞれに対するIgE抗体の量 (特異IgE抗体、RAST) の4項目を測定します。

ここで注意がありますが、IgE抗体が陰性であった場合でもアナフィラキシーが起こることがあります。だからといって、測定自体が無意味ということではありません。問診により、アレルギー疾患 (アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー結膜炎、蕁麻疹、花粉症、喘息など) の有無や、食物や薬剤、特にハチに対するアレルギー歴の有無を確認し、IgE抗体の測定結果を組合すことによって、対策がとれます。アナフィラキシーの既往のある方や、発現する危険性が高いと判断した方に対して、“エピペン” という、携帯型のアドレナリン自己注射製剤を、前もって処方することができます。

林業や木材製造業従事者の40%、電気工事従事者の30%が、ハチ毒IgE抗体が陽性といわれています。ハチに刺される危険性のある方は一度測定されてはいかがでしょうか。

費用に関しては、医療保険対象外のため、高額になってしまいますが、診察費、検査費、郵送費、税込みで、10,000円です。ご希望の方はお電話でお問い合わせ下さい。