間質性肺炎

間質性肺炎は、最も難しい呼吸器疾患の一つです。医学が進歩している現代においても、まだまだ不明な点が多い疾患群です。日本呼吸器学会より『特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き (改定第3版)』、『特発性肺線維症の治療ガイドライン2017』が発刊されており、これらに沿って診療をします。

吸った空気は、気管・気管支を通り、細かく枝分かれした後、肺胞と呼ばれる小さな袋に到達します。この肺胞の内側のことを “実質” といいます。逆に肺胞の外側のことを “間質” といいます。細菌性肺炎 (いわゆる肺炎)は、”実質” を主な炎症の場としますが、間質性肺炎はその名の通り、”間質” に炎症が起こります。同じ肺炎という名がついていながら、全く別のものであり、治療戦略も異なってきます。

間質性肺炎の原因として、喫煙・膠原病・薬剤性・アレルギー性・職業性などがありますが、原因不明のものを「特発性間質性肺炎」といいます。これは、特発性肺線維症 (IPF)・非特異性間質性肺炎 (NSIP)・急性間質性肺炎 (AIP)・特発性器質化肺炎 (COP)などに分類されます。一気に難しくなってきましたね。

肺胞とその周囲にある毛細血管は、酸素・二酸化炭素の交換をしますが、間質を通じて行われています。原因が何であれ、間質に炎症が起こると、線維化が起こり、厚く、硬くなってしまいます。肺全体が硬くなってくると、伸び縮みできなくなるため、浅い呼吸になってしまい、酸素も肺胞まで到達しにくくなります。またせっかく肺胞まで酸素が到達しても、間質が壁のように立ちはだかり、体内に酸素を取り込めません。その結果、体内の酸素が不足し、特に労作時を中心とした息切れの症状が出ます。また咳の症状も伴います。

身体所見としては、肺が硬くなるので、息を吸って肺が広がるときに、パリパリという特徴的な音を聴取します (捻髪音:fine crackles)。呼吸機能検査上は、肺活量が低下します。CT所見では、すりガラス影・線維化・蜂巣肺といった特徴的な影を認めます。必要に応じて、気管支鏡や外科的生検を行い、より詳しく精査します。

もう1点、大事な点があります。同じ症状・呼吸機能・画像所見・気管支鏡所見・組織所見であっても、患者さんによって進行速度が異なるという点です。専門家によっては、”Behavior” と呼ばれ、治療の開始・選択において重視されます。ふるまい・態度・素行という和訳になりますが、つまり、進行の速い場合と、遅い場合があるということです。前者は非常に怖く、あっという間に命に関わることもあります。また後者でも急に早歩きする ”急性増悪” という概念もあり、注意深く観察する必要があります。

最後に治療ですが、①ステロイド剤、②免疫抑制薬、③抗線維化薬を、パターンに応じて使い分けますが、かなり専門的な知識を要します。おおざっぱですが、ステロイドが効くパターンを見落とさないこと。ステロイドが効かないパターンであれば、②③を用いて、進行を何とか防いでいくこと。大学病院や呼吸器専門医での管理をおすすめします。